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「体調不良」からの脱却 (6) 鈴木修一著

体調不良からの脱却

<5> 風邪対策

風邪とは英語で“Catch a Cold”(=冷えを取り込む)と言いますが、体内に“冷え”を取り込んでしまうと、風邪を引いてしまいます。第3項の「低体温からの脱却」でも述べましたように、日頃から体温が高めの人は体調不良になりにくく、風邪も引きにくい体質になっています。寒いから風邪を引くのではなく、冷えを取り込みやすい体質が風邪を呼び込みます。寒いから風邪を引くのなら、ロシア人はみんな風邪を引いてしまいますよね。

(1) 風邪の原因

☆ストレスや疲れ、あるいは油断……油断をして寒い日に冷たいビールや水割りを飲んだり、薄着をしたり、寒い日に長時間外出したりして、風邪を引くことがあります。

☆自律神経のバランスの崩れ……季節の変わり目などに、自律神経のバランスを崩して風邪を引くことはよくあることです。夏という“陽の季節”に冷たいものや果物、生野菜、お茶/コーヒー/炭酸飲料などの水分摂取という“陰の食生活”を送っていて、今度は秋から冬にかけて季節が“陰の季節”に移行しても、これまでの惰性であいかわらずアイスコーヒーやアイスクリーム、南国のフルーツなど“陰の食生活”を続けていると、血中塩分濃度の
低下や免疫力の低下で、風邪を引くことがあります。

☆胃腸の衰弱……胃腸の衰弱から風邪を引くことがあります。胃腸が衰弱すると、腸から細菌毒素が血液内に侵入しやすくなり、お腹が痛くなる風邪や、ゾクゾクして熱が出てくる風邪にかかりやすくなります。

(2) 風邪の症状(=回復反応)

☆クシャミ/鼻水/セキ/下痢……これらは水分を外に出すことによって、冷えを追い出そうとしている回復反応です。

☆頭やのどの痛み……いつも外気にさらされて冷えやすい部分の血行不良を、プロスタグランデインの血流回復反応によって修復するときに痛みが出ます。

☆体がゾクゾク(=悪寒)する……体を震わせることで体熱を上げ、冷えを追い出そうとする反応です。
☆高熱が出る……治癒反応そのものです。これにより免疫力も体内酵素も活性化する一方、風邪のウイルスを撃退します。

(3) 風邪対策

上記のように風邪の症状の“正しい意味”が分かれば、対策も簡単にわかります。クシャミや鼻水を止める薬とか、咳止め薬とか、頭痛薬や解熱剤など、すべて間違いであることが分かりますよね。どんな薬であれ、“薬が病気を治してくれる”という考えは完全な間違いです。症状があまりにつらいときだけ、そのつらさを2-3割取り除くのに使う程度で、あとは根本対策に切り換えなければなりません。

☆まず対策の筆頭は、消炎鎮痛剤や解熱剤を飲まないことです。理由は“回復反応”を抑えてしまうからで、風邪が長引いてしまいます。

☆次に抗生物質を飲まないことです。安易にすぐ医者にかかる人によくあるケースは、必要でもない抗生物質を飲んで、胃腸の調子を崩すことです。抗生物質に風邪を治す力などありません。「風邪で体が弱っているので、他の菌による感染症を防ぎましょう」というのが大義名分のようです。しかし抗生物質は、私たちの大切な味方である腸内細菌を殺して、腸内環境を悪化させるので、使ってはいけない薬です。たかが風邪ぐらいで、胃腸の調子まで悪くされてはたまりません。

☆大事なことは風呂に入ってよく体を温めて、早めに休むことです。
“冷え”を追い出すための回復反応を、助けてやることが真っ先にやるべきことです。

☆“冷え”を追い出す食物を積極的にとります。
ネギ類(=ネギ/玉ネギ/ニラ/ニンニク)、生姜、味噌、根菜類を中心に、あとは胃腸を丈夫にする梅干しや納豆、あるいはビタミンCを多く含む柑橘類やキャベツ/ブロッコリーなどです。

☆ストレスや疲れによる風邪には、これまで何度も述べていますように、自律神経の副交感神経を優位にする方法を用いて、交感神経過剰によるストレスを取り除くことが大事です。

- To be continued -